岡田 充の海峡両岸論
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第162号 2024・04・27発行

4/27/2024

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中ロ印の思惑錯綜するBRICSとは
米一極支配衰退で多極化の主導権競う

​米一極支配と主要先進7カ国(G7)の役割が減衰する世界秩序の新たな多極間枠組みとして、2024年から加盟国が10カ国に拡大した「BRICS」の役割が比重を増している。中でも中国、ロシア、インドの3国は異なる思惑からBRICSの主導権を競っている。BRICSをまとめておく。
イラン、サウジなど5カ国加盟
BRICSとは、米金融大手「ゴールドマン・サックス」の経済学者ジム・オニール氏が、今世紀に入り著しい発展を遂げたBrazil, Russia, India, China, South Africa5カ国の頭文字をとった総称。オニール氏が2001年11月に発表したリポート[i]で初めて言及し広まった。
5カ国のうち南アフリカを除く4か国は2009年、非公式首脳会議を開催。ロシアは米欧主導の世界秩序への対抗軸の構築を提唱した。2011年からは南アが首脳会議に参加し、BRICSと総称されるようになった。
2023年の第15回首脳会議は、南アが議長国になりヨハネスブルクで8月22~24日に開催。シリル・ラマポーザ南ア大統領は24日、成果報告でアルゼンチン、エジプト、エチオピア、イラン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)6カ国が、2024年1月1日からBRICSに新規加盟すると発表した。しかしアルゼンチンのミレイ大統領は非加盟を決めたため5カ国にとどまった。
拡大後も「BRICS」の名称は変わらないが、「拡大BRICS」など、5カ国時代と区別する新通称で呼ばれることになろう。
拡大は「習近平の勝利」
今回のサミットでは、中国とロシアがBRICS加盟国の拡大・強化を強く主張。その一方、インドとブラジルは消極的と伝えられたが、ふたを開ければ5カ国が一致して「拡大BRICS」に賛成した。
加盟国拡大について習近平・中国国家主席は「歴史的」と称賛「BRICS諸国はいずれも重要な影響力を持っており、世界の発展に対して重要な責任を担う」と意義を強調。拡大BRICSを、国際政治・経済の枠組みとして重視する姿勢を示したもので、米ニューヨークタイムズ紙(NYタイムズ紙)は「習近平の勝利」とコメントした。[ii]
拡大BRICSの経済規模について、ブラジルのルーラ・ダ・シルバ大統領は、「GDPは世界の37%、世界人口では46%まで増える」と指摘した。2022年段階のBRICS5カ国のGDP総額は26兆ドルと、米GDPの約25兆ドルをわずかに上回っていた。購買力平価ベースのGDPではG7を上回り、加盟国拡大によって世界経済での比重が高まるのは間違いない。
[iii]首脳会議では、キューバ、インドネシア、コモロ、カザフスタン、ボリビアなど40カ国超が加盟希望を表明した。BRICS5カ国首脳は、BRICSパートナー候補国のリストを、次回首脳会議までに整備するよう自国外相に指示したとされ、次回第16回サミット(24年10月 ロシア・カザン)以降の加盟国拡大[iv]は必至。
「米国際秩序への挑戦」と米紙
では西側は加盟国拡大をどう見ているのか。最も衝撃を与えたのは、原油埋蔵量世界1のサウジと第2位のイランの同時加盟だった。イスラム教内で対立するスンニ派とシーア派を代表する両国は2023年3月10日、中国の仲介で関係を正常化し米欧諸国を驚かせた。
米軍のアフガニスタン完全撤退(2021年)に象徴される米国の「中東離れ」の副次作用が、これほど早くしかもBRICSサミットで表れるとは、だれが想像しただろう。
NYタイムズ紙はムハンマド・ジャムシディ・イラン副大統領が、イランの加盟を「歴史的偉業であり戦略的勝利」と誇ったと紹介、イラン加盟を「BRICSと西側の地政学上の緊張を高める」とコメントした。
米国の安全保障面でのマイナスの影響についても、米同盟国のサウジと安保の後ろ盾であるUAEの加盟は「米が支配する国際秩序へのBRICS挑戦の重みが試される」と表現した。米既得権益が浸食されたという認識が滲む。
加盟国はすべて新興・途上国を意味する「グローバルサウス」(GS)に属すると自称。西側がその存在を強く意識し始めたのは、ロシアのウクライナ侵攻に対する対ロシア制裁に、GS諸国の多くが同調しなかったことが契機だった。それ以来、「欧米vs中ロ」の対立軸から国際政治をとらえてきた西側陣営は、GS諸国の取り込みをあわてて急いだ。 
しかしG7の凋落と反比例するようなBRICS拡大を見れば、米一極支配が崩れ多極化する世界秩序の実相が浮かびあがる。「G7こそが世界を主導し専制主義の中ロを孤立させている」と一面的に見なす欧米や日本政府のフィルターを通してみる世界が、いかに歪んで実相を反映していないか、国際政治へのリテラシー(読解能力)は、毎日試されている。
中国の位置づけ
中国はBRICSをどのように認識しているのか、BRICSを外交の主軸にし始めた理由をサミットでの習演説から探ってみよう。BRICSは中国語では「レンガ」や「金の延べ板(インゴット)」を意味する「金砖(磚)」という単語に「国家」をつけ、「金砖国家」ないし「金砖国家集団」と呼ぶ。
習は8月23日のスピーチ[v]で、「世界は混乱と変化の新時代に入り、不確実で不安定で予測不可能な要因が増加している」と現状を論じ、BRICSの役割について①国際的な風景を形作る重要な力②独立した外交政策の提唱者で実践者③外圧に屈せず他国の属国でなない―と強調した。これが総論。要約すれば多極化する世界秩序の反映という意味だ。
次いでBRICSの役割について習は①経済、貿易、金融協力の深化・開発はあらゆる国の不可侵の権利であり、少数国の「特許」ではない②デカップリングとサプライチェーン(供給網)分断および経済的威圧に反対③政治・安全保障協力を拡大し平和と安寧を維持④BRICS外相会合や安保上級代表会合を活用し、核心的利益や主要な国際・地域課題での連携強化⑤AI研究グループの立ち上げ―を挙げた。これが各論。
結論で習は「BRICS諸国は真の多国間主義を実践し、国連を中核とする国際システムを守り、WTOを中核とする多角的貿易体制を支持・強化、『スモールグループ』(軍事同盟)の設立に反対」と、欧米の同盟強化に反対する「非同盟路線」支持を強調。「多くの国がBRICSファミリーに加わり、より公正で合理的な方向でグローバルガバナンスの発展を促進すべき」と、新たなグローバルガバナンスを促進する場としてBRICS拡大を主張するのである。
ロシア・インドの思惑と脱米ドル
拡大BRICSにサウジとイラン、UAEの主要産油国が加わったことは、西側の経済制裁下にあるロシアにとり意義は大きい。さらにウクライナ戦争に伴うエネルギー供給のひっ迫の中で、原油取引の米ドル決済を意味する「ペトロダラー体制」の変革につながる可能性も重要要因になった。
ロシア、ブラジルをはじめ拡大BRICS加盟国は、対外貿易決済を人民元および自国通貨決済に切り替える動きを加速しており、これらの国では脱米ドル化が進みつつある。一度は加盟国拡大に消極的だったインドだが、4月の総選挙を前に、ヒンズー・ナショナリズムを国造りの原点にし、イスラム教徒弾圧を進めるモディ政権に対し欧米からの批判が高まる。
それだけではない。23年のモルディブ大統領選挙で「インディア・アウト(インドは出ていけ)」を掲げて当選したムイズ氏は3月4日、中国と事援助協定を結ぶと発表。ネパール、スリランカ、バングラデッシュなどインド周辺でインド包囲網が出来つつある。欧米と米とGS諸国とのバランスをとる上で、「乗り遅れ」は利益にならないとの判断が働いたのだろう。
ある経済専門家[vi]は、「ペトロダラー体制」の変革の展望について「多極化した世界へと10年かけて進んでいくこと」になり、「恐らくドルとユーロ、中国人民元がそれぞれ米州と欧州、アジアで支配的な通貨となる世界」が到来すると予想する。
第2にインドを除く大半の加盟国が中国の「一帯一路」協力国であり、不動産不況やデフレ経済入りの危険性に直面する中国経済にとり、新たな需要喚起というメリットになる。そして第3に米国が仕掛ける対中経済デカップリングの中で、半導体生産や電池生産に必要な鉱物資源に恵まれたアフリカ・中南米諸国の加盟によって、中・長期的には半導体の自国生産体制強化の基礎になるだろう。
ここで強調したいのは、中国は拡大BRICSを欧米中心の国際秩序への対抗軸として意識しつつも、米国中心の現行経済システムの崩壊は望まず、その中でさらに高い地位を占めようとしている点だ。「アメリカン・スタンダード」を「チャイニーズ・スタンダード」に変えようとしているわけではない。米中の戦略争いを「覇権争い」ととらえるのは誤りだ。
ただリーマンショックを契機に一定の役割を果たしてきたG20はG7も入っているだけに、国連安保理同様機能不全を起こしており、その役割は減衰している。
共通項は「恨み」
GS諸国の影響力増大について、「彼らに共通の主張があるわけではない」という「上から目線」の評価があちこちで聞こえる。だが英フィナンシャルタイムズのジャナン・ガネッシュ記者[vii]は「多様なBRICSの国を結びつけている共通点があるとすれば、それは『恨み』だ」と読み解く。
国際政治を動かすモチベーションが、ネガティブな意味合いが強い「恨み」とすることに驚いてはいけない。拡大BRICS加盟国のすべてが、欧米日列強の植民地支配と侵略の被害体験を共有する。「反植民地主義」は決して古い主張ではない。GS諸国を団結させ、先進国への経済的依存を低減させる大きな効果すらある。
ガネッシュは続ける。
「過去の屈辱に対する鬱憤だ。そして、政治と人生を突き動かす力として、恨みはあまりにも過小評価されている」「ソ連時代から縮小した帝国となりルサンチマンを抱えていることを知らずして、現代ロシアは理解できない」 同感だ。
中国が列強の侵略と反植民地支配によって統一の契機を奪われ、台湾統一を核心的利益と主張することをあたかも時代錯誤とみなすのも傲慢というべきだ。


[i]

[ii] BRICS Invites More Countries to Join. Here’s What to Know. - The New York Times (nytimes.com)
 

[iii] BRICS拡大、6カ国の新規加盟に合意(インド、中国、アルゼンチン、ブラジル、ロシア、アラブ首長国連邦、イラン、サウジアラビア、エジプト、エチオピア、南アフリカ共和国) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ (jetro.go.jp)
 

[iv] What is BRICS, which countries want to join and why? | Reuters
 

[v] 第15回BRICS首脳会議における習近平の演説(全文)中華人民共和国外交_Ministry (mfa.gov.cn)
 

[vi] 「ペトロダラー体制」に変化あるのか-中東の米同盟国が中ロに接近 - Bloomberg
 

[vii] [FT]BRICS、「恨み」が共通軸 権威に憧れや承認欲求も - 日本経済新聞 (nikkei.c)(了)
 
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第161号 2024・04・07発行

4/7/2024

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平和統一を実行に移す習近平指導部
馬英九氏ら各党派・団体と対話開始

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​ 中国が2023年から習近平の台湾平和統一政策を具体的に進め、台湾総統選を経た24年からは実行に移す構えだ。「中国は一つであり台湾の主権と領土は分割できない」との現状認識の下、台湾が実効支配する領域を無視し主権を行使する「強硬手段」に出る。習近平氏は2019年に発表した習氏の台湾政策「習5点」の第2項目で、「『「一国二制度」』の台湾モデルを台湾の各党派・団体との対話を通じ模索」と明記しており、国民党の馬英九元総統の訪中と対話はその具体化である。(写真 訪中に出発する馬氏)主権行使と台湾版「一国二制度」に向けた対話は、頼清徳新政権時代の習政権の台湾政策の基調だ。
「一つの中国反対せず」で線引き
馬英九氏は昨年の初訪中に続いて4月1日から11日まで20名の青年を引いて広東省、陝西に続き、今回は初めて7日に北京を訪れることから習氏との第2回首脳会談が実現する可能性が高いとされる。
中国と台湾のトップは分断から66年後の2015年11月7日、シンガポールで歴史的な握手をし台湾海峡の平和・発展を確認した。この時何が話し合われたのか振り返る。
第1は、両岸が(「一つの中国」の原則の下、その解釈は各自に委ねるとした)「92年合意」を堅持し、平和な現状の維持で合意。第2、習は両岸関係の「最大の脅威は台湾独立勢力の分裂活動」と強調、民主進歩党に対し政権をとっても独立路線を歩まぬようくぎを刺した。馬は「双方は(それぞれの)人民が大切にする価値と生活スタイルを重視すべき」と述べ、現状維持の保持を強調。
第3、習は「両岸中国人には、自分の問題を解決する能力と知恵がある」と述べ、両岸関係は内政問題であり米国など外国勢力の介入を強くけん制。第4は馬が「両岸関係は1949年以来、最も平和な段階にある」と述べ、中国が配備している1500発のミサイルに懸念を表明。これに対し習は「台湾に向けたものではない」と言明した。第5に「交流促進や信頼醸成に向けた」閣僚級のホットラインの設置で合意―だった。
1,2,3は今回も双方が確認する可能性が高い。ポイントは「一国二制度」台湾版がどのような表現で盛り込まれるかだ。「各党派・団体との対話」には台湾第3政党の民衆党も含まれるはずで、今後は柯文哲氏を含めた人選と訪中時期が調整される。
民進党と国民・民衆党との線引きは「一つの中国」に反対しない最大公約政策。これが次期統一戦線の基調になる。1月の総統選挙で頼氏が当選した際、中国政府は「主流民意を代表していない」と論評したが、強がりではない。「一つの中国」に反対しない国民、民衆両党の得票率を合わせると6割と、反対の民進党の4割を上回る結果が出たためだ。

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中国にひき寄せられる「天然独」
中国は台湾民意の微妙な変化を見逃していない。次に紹介するのは、第1期蔡英文政権の末期に筆者がまとめた「天然独」の意識に関する記事。今回の総統選挙で民衆党を第3勢力に押し上げたZ世代の投票行動と重なるものが多いから紹介する。[i]
「産まれたときから台湾は独立国家」と考えるミレニアル世代を「天然独」と呼ぶ。彼らは馬英九前政権の対中融和政策に反対し、民進党の政権復帰の原動力になったとされてきた。しかし別の世論調査によると、20~39歳の青年層の約3割が中国大陸での就職を希望している。
賃金水準は頭打ちで賃金、生産性ともに台湾を上回る中国大陸に魅力を感じる「天然独」が増えている。両岸の実力と影響力の差が拡大する中、イデオロギーに基づいた二元論への異論。
民主台湾は独裁大陸より優れているというイデオロギーでは、統治の成果の差を説明できない。総統選挙で民進党は、「抗中保台」を優先させたが、政治スローガンでは台湾社会の多くの難題を解決できない。(写真 ひまわり運動の中心の天然独の若者)
統一はしたくないが独立も不可能。「現状維持」では将来の方向は決まらない。そんな閉塞感が漂う中で、内政改革の失敗は社会各層や世代間に新しい矛盾を際立たせた。二大政党制から第3勢力が生み出される世論の萌芽は6年前に既に表れていたのだった。
ここで習5点の要約[ii]を記しておく。台湾青年工作はちゃんと第5に明記されている。
(1) 民族の復興を図り、平和統一の目標実現
 (2) 「一国二制度」の台湾モデルを台湾の各党派・団体との対話を通じ模索
 (3) 「武力使用の放棄」は約束しないが、対象は外部勢力の干渉と「台湾独立」分子
 (4) (中台の)融合発展を深化させて、平和統一の基礎を固める
 (5) 中華文化の共通アイデンティティを増進し、特に台湾青年への工作を強化

主権行使の匙加減
一方、金門島では2月に起きた中国漁船転覆事故を契機に、中国側は台湾が実効支配してきた「中間線」の『禁止・制限水域』を無視し、パトロールを常態化させ中国主権を行使している。ただ金門島は両岸融合の窓口でもあり、強硬一辺倒ではなく、頼政権の対応をみながら慎重な「匙加減」で進めるだろう。
後で詳述する両岸融合政策は、台湾の金門と馬祖という中台激戦の島と対岸の福建の都市を交通インフラで結び、電気・水道も共有しながら「共通生活圏」にする融合・発展モデル計画[iii]だから、金門住民に悪印象を与えるのはマイナスになる。
北京・台北の新幹線も想定
平和統一の具体策は習5点の「(4) (中台の)融合発展を深化させて、平和統一の基礎を固める」にあり、中国共産党中央と国務院(政府)は2023年9月12日、「両岸は親しい家族」の理念を実践し、「平和統一のプロセス推進」のため、「福建の海峡両岸融合発展の新たな道模索と同モデル区建設の支援」(全21条)[iv]という文書で明らかにした。この文書の内容を概観する。
文書は、福建省と台湾本島および金門島と厦門(アモイ)、馬祖島と福州を一体化するため、橋や鉄道・道路など交通インフラの整備をうたった。金門島と厦門は最短で2キロと近く、これを橋で結んで道路と鉄道で連結する。国民党の馬英九氏も提唱した。
また福建と台湾本島の間では、台湾海峡(幅200キロ~150キロ)を地下トンネルで結び北京と台北を新幹線で連結する計画も想定している。
中国国務院が2021年2月に発表した「国家総合3次元交通ネットワーク計画」[v]の計画完成図には、福建省と台湾北部を結ぶルートが明示されている[vi]。中国大陸では、北京と台北を結ぶ新幹線が開通した夢を歌ったYoutubeが二年前に流行した。

経済・社会基盤を一体化
一方、台湾人を大陸中国人と同等に扱う措置について文書は、
  • 台湾学生の福建での学習研究促進
2,台湾人の福建での就業促進。台湾教師の採用を増やすほか台湾の医師、看護師、弁護士、介護福祉士など公的資格者の就業範囲を拡大
  • 台湾人が台湾住民居住証を受領するのを奨励。台湾同胞が福建での不動産購入を奨励
4,台湾人の福建での就業、受診、住宅、養老サービス、社会救済などの制度保障を充実させ、大陸の社会保障システムに組み入れる
が盛り込まれた。
要するに、福建に住む台湾人には大陸中国人と同等のサービスを提供、台湾と中国の経済・社会基盤を一体化・融合することが目的。成功すれば福建以外にも広げ、平和統一の基盤づくりにすることをもくろむ。

統一に向け初の内容
台湾統一は、鄧小平が提唱した1979年の「平和統一方針」以来、歴代政権にとって現代化建設と平和的国際環境の実現と併せ、「歴史的3大任務」の一つと位置付けらる。「習5点」[vii]は、建国100年に当たる2049年に「中華民族の偉大な復興」を実現する戦略目標と平和統一とをリンクさせた。
中国は統一の時間表を明示したことはない。だが習5点に沿うなら、論理的には2049年までに統一が実現していなければならないことになる。2021年3月にアメリカのデービットソン前インド太平洋司令官が、2027年までに中国が台湾に武力行使する可能性が高いとする「台湾有事論」を提起して以来、日本の全国メディアは台湾への武力統一の可能性を煽ってきた。しかし27年までに武力行使するという論拠は実に弱い。

金門で進む融合発展
興味深いのは、台湾側が実効支配する金門島と厦門(アモイ)、馬祖島と福州を「同一都市生活圏」にするのを提唱している点だ。金門との「通電、通気、通橋」〈電気・ガスの供給、橋の開通〉を加速し、金門はアモイ新空港を共用できるとしている。
金門と馬祖は、蒋介石の国民党政府が共産党との内戦に敗れ1949年に台湾に退却した後も、中台対立と激戦の最前線だった。特に金門島は1958年に中国側が同島に激しい砲撃を繰り広げ、「第2次台湾海峡危機」と呼ばれた。​

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「海西区構想」がひな型
今回発表された「融合・発展モデル地区」のひな型は、福建省政府が2004年に提案した台湾統一の戦略基地と位置付ける「海峡西岸経済区」(海西区)設立構想にある。経済区は浙江、広東、江西省と台湾を含む広大な地域に1億人の人口を想定、台湾の資本、人材を吸収し、台湾を含めた新経済・生活圏を作って「統一」に資することを目的にしていた。
習氏は1985年から2002年まで17年もの長期にわたって厦門市副市長、福州市党委書記、福建省長など、福建での公職を歴任。この間、福建に進出する台湾ビジネスマンとの交流を通じ、台湾統一政策を学んだとされる。「海西区」構想も習氏が深くかかわってきた。
陳水扁政権時代、金門・馬祖島と福建省との直行を解禁する「小三通」は、開通以来2019年6月までに利用者は2000万人に達した。筆者も2010年夏に厦門から金門まで「小三通」を利用したことがあった(写真 金門島から見た厦門の夜景)
厦門大学台湾研究院によると、2010年段階で厦門に投資している台湾企業は2800社に上り、常駐台湾人は6万人だった。金門島の台湾人で、厦門の不動産を購入した件数は8000件に上ると研究所責任者は話していた。今はもっと多いだろう。開発の遅れた金門島より廈門のほうが生活しやすい[viii]。普段は廈門に住み、何かあれば1時間で金門に戻る島民も多いと聞いた。

金門と大陸の良好な関係          
もう一つは金門、馬祖両島の特殊事情だ。両島では大陸との早くからの交流を通じ、台湾の他地域と比べ島民の大陸感情が格段にいい。金門島の行政区画は、「中華民国福建省金門県」で、馬祖諸島は「中華民国福建省連江県」だ。「中華民国憲法」は「一つの中国」を前提に組み立てられており、台湾の中に今も福建省が存在する。
金門・連江両県では、中国と敵対する民進党や蔡英文政権の人気は極めて低い。立法院(国会)や自治体選挙では国民党が圧倒的に強い。地政学と地経学の両面からみても、金門・馬祖を融合発展のモデル地区にするのは合理的だ。

ソフトパワーに欠く内容
それでもこの計画が「台湾の地方から中央を包囲する戦略に基づく統一戦線工作として台湾総統選まで継続する」と予測する台湾専門家もいる。台湾のシンクタンク「国防安全研究」の鐘志東[ix]氏で、英BBC中国語版の取材に対し「計画が最終的に成功すれば、台湾中央政府に非常に困難な問題をもたらすだけでなく、国際世論にも政治的影響を与えるだろう」と懸念している。
問題は台湾民衆の反応であろう。よく知られているように、台湾で統一を望む民意は数%に過ぎず、圧倒的に多いのが「現状維持」[x]だ。
特に2019年の香港大規模デモに対する中国政府の強硬姿勢は、中国が台湾統一で適用する「一国二制度」への信頼を失墜させ、2000年総統選挙で蔡を圧勝させた。これまで見てきたように「融合・発展モデル地区」計画の内容は、経済的利益という「ハードパワー」が主体。それはそれで台湾人を引き寄せればいい。
台湾人の多くが不安視する統一後の「一国二制度」を保証する「ソフトパワー」には触れていない。「一国二制度」台湾版の策定に向け、双方がどのようなアイデアを出すか注目したい。(了)
本稿はBusiness Insider Japan から出稿した危機を大幅に加筆・修正した内容である。
正習近平氏、台湾平和統一の「青写真」を初公表。福建省と台湾金門・馬祖島を連結する「共同生活圏」構想 | Business Insider Japan


[i] 若者層の3割が中国での就職を希望——改革頓挫と中国の威嚇で習近平下回る台湾総統の好感度 | Business Insider Japan

[ii] 第99号 2019.02.14発行 (weebly.com)

[iii] 融合有好处 闽台亲上亲——解读中央支持福建探索两岸融合发展新路重大政策_政策解读_中国政府网 (www.gov.cn)

[iv](https://www.gov.cn/zhengce/2021-02/24/content_5588654.htm

[v] 習近平:「台湾同胞へのメッセージ」創刊40周年記念演説--報道-人民日報 (people.com.cn)

[vi] 第15号 2010.08.20発行 (weebly.com)

[vii] https://www.bbc.com/zhongwen/simp/chinese-news-66806639)
 

[viii] 大陸委員會-「民眾對當前兩岸關係之看法」民意調查 (2023-06-28~2023-07-03) (mac.gov.tw)

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第160号 2024・02・18発行

2/18/2024

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国家を揺るがす非国家の台頭
グローバルサウス台頭で不安定世界に

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足掛け5年に及ぶコロナ禍のトンネルを抜けると、国民国家を基礎にしてきた世界秩序の枠組みは大きく変化していた。2023年は、ほぼ1世紀にわたって世界を支配してきたアメリカの衰退が顕在化し民主価値観も神通力を喪失、新興・途上国のグローバルサウス(GS)諸国が新たな主人公に躍り出る年になった。国家という既成のアクターに対し、GAFAやアリババ、宇宙産業を支配するイーロンマスク氏など巨大ITプラットフォーマーが、国家に匹敵する役割を果たし始め、中東ではイスラム組織ハマス、フーシなど非国家主体が、衰退する欧米の地位を揺るがし始めた。現在進行形の政界秩序の姿がこれだ。(写真 WIKIPEDIAから)

一極支配の40年の変化
米一極支配の消長を1980年台初めから駆け足で振り返ってみよう。レーガン政権とサッチャー英首相が主導した新自由主義経済は、冷戦後の世界でグローバル化とIT革命の追い風を受け、国境の壁を越えヒト、モノ、カネの移動を自由化、グローバル企業を中心に国家間と国家内部に弱肉強食の世界を作り出した。
 しかし2008年のリーマンショックによって、金融工学を使った不断の需要喚起を狙った金融資本主義は、大きな壁にぶち当たった。危機対応で手を差し伸べたのが中国。4兆円人民元の資金を市場に放出し世界経済を下支えした。対テロ戦争と金融危機対応で、世界は米中協調時代に入るかに見えた。
しかし米中協調は長続きしない。第2期オバマ政権はアジアに軸足を置く政策に転換。中国の経済・軍事力の追い上げが次第に可視化されると、「アメリカ第1」を掲げるトランプ政権は、対中経済戦争を世界戦略に中心に据え、バイデン政権は台湾カードを使った対中軍事抑止政策を最優先した。これが40年のアメリカ一極支配の流れである。

ウクライナ戦争で新ステージに
世界秩序はこの後新たなステージに入る。それを画したのがロシアのウクライナ侵攻だった。アメリカとヨーロッパはロシアと中国という権威主義国家への反撃に転じたものの、23年10月、今度はハマスによるイスラエル電撃攻撃によって、バイデン政権は「二正面作戦」を強いられることになった。
イスラエルによる非人道的ガザ攻撃が苛烈になると、アメリカ国内でも若者を中心にイスラエルへのコントロールを完全に失ったバイデンへの反感が強まり、ただでさえ劣勢だった大統領選にも黄信号が灯った。そこでバイデンが助けを求めたのが、何と「主要敵」中国。
多くの西側メディアは注目していないが、サンフランシスコで23年11月15日に行われたバイデン・習近平中国国家主席の首脳会談の成果は、新ステージで需要な意味を持つ。会談はバイデン側の強い要請で開かれ、習氏を破格待遇でもてなした。
筆者は会談の最大の成果は、台湾を争点とする「米中戦争」を、大統領選挙まで「一時休戦」することで暗黙の合意に達したとみている。

米中の力逆転
バイデン政権が「一時休戦」を求めるのは「二正面作戦」に加え、中国との衝突という「三正面作戦」に対応できないからだ。会談では衝突回避の具体的措置として、米中国防当局間のハイレベル会合の再開などで合意。これに基づき、米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長と中国軍の劉振立統合参謀部参謀長は12月21日、オンライン協議を行った。
さらにヨルダンの米軍基地が攻撃され3米兵が死亡、イエメンの反政府武装組織フーシ派が紅海を航行する商船を攻撃すると、アメリカは報復攻撃に先立ち外交トップのサリバン大統領補佐官をタイに派遣、王毅外相と足掛け2日12時間にわたって会談させ、中国のイランへの影響力行使を要請した。
王毅の回答は明らかではないが、中国外交関係者は、紅海の武力攻撃では中国商船にも影響がでているため、イランに対して対応をするのではとの見方をしている。ちょうど一年前、王毅の仲介工作で、サウジアラビアとイランが関係正常化にこぎつけて以来、中東における中国の影響力は飛躍的に高まり、アメリカは中東でも中国との事前のすり合わせ抜きには、軍事行動に出られなくなった。
バイデン政権はウクライナでも劣勢に立たされている。アメリカを含む西側諸国の支援疲れに加え、ゼレンスキー大統領と軍部の内部矛盾が露呈し、時間はロシアに有利な局面をもたらしつつある。二正面での苦戦こそバイデン氏が中国に助力を求める背景だ。 
 
プラットフォーマーは国家を超える
アメリカの一極支配を支えてきた民主など「普遍的価値」イデオロギーも神通力を失っている。ロシアのウクライナ侵攻を非難する国連決議案に多くのGS諸国は賛成せず棄権に回った。アメリカが言う「民主」「人権」圧力とは、アメリカにとって都合のいい「二枚舌」であることを彼らは見抜いている。多くのGS諸国は、民主イデオロギーとは無縁の権威主義国家だから「民主カード」など効かない。
米中一時停戦は「国家間」の利益調整であり、旧来型の世界秩序を争うゲームである。だがコロナ後に顕在化したのは、国家というアクター(主体)の力を超えるまでに成長した新しい非国家アクターだ。「Google」や「Apple」などGAFAや電子商取引で急成長した中国の「アリババ」グループ、イーロンマスク氏のプラットフォーマーの台頭。TSMCも「擬制国家」台湾の存在を超える非国家主体と言えるかもしれない。
中国当局は3年前、「アリババ」など巨大IT企業を独占禁止法で締め付けを強化した。西側メディアは習近平氏とアリババ創始者のジャック・マー氏との個人的確執に焦点をあて、生産性の高い民営企業を軽視し、国有企業への待遇を厚くする「国進民退」の表れと批判した。
しかし実際は、プラットフォーマーが巨大な力を持ち、これまで国家が管理してきた金融や経済政策で、国家より大きな力を持ちかねないのを懸念したためと筆者は考えている。社会主義理論で言えば「社会主義初級段階」にある中国が、共産主義段階に発展する前に「国家消滅」(マルクス)しては困るのだ。その前に「偉大な中華民族の復興」を成し遂げるのが習氏の発展戦略だ。
欧米各国もプラットフォーマーに対する国家の管理と規制を強めつつあるが、自由主義経済という「建前」に加え、法的規制の技術問題に直面し規制強化はなかなか進まない。この領域における国家と非国家主体の綱引きと確執は、しばらく続くだろう。

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習近平の「人類運命共同体」外交の狙い
 その答えが出ないうちに、ハマスにフーシという暴力装置をバックにする非国家主体の登場で米国は足を引っ張られている。中東では「タリバン」や「イスラム国」などの非国家アクターは存在したが、米国が力で抑え込んだ。しかし今や衰退した超大国だけでは抑えは効かず、中国に助力を求めざるを得なくなったのが彼らの窮状を表している。(写真 紅海で商船攻撃した武装集団フーシ)
 それでは今後、国家を主体にする世界秩序はどう変化するだろう。GSの代表的国際組織のBRICSは、24年から10カ国に拡大し、中国はブリクスを新しい外交主舞台として重視する。衰退したとはいえアメリカンスタンダード実現のためのイデオロギー「民主」は、ある種の「国際公共財」だった。
GS諸国は「公共財」抜きに、それぞれ自国利益を最重視するエゴイズムに走る危険性をはらみ、近隣諸国との摩擦が地域紛争多発の恐れを秘めている。西側が「世界最大の民主主義国家」と持ち上げるインドは、モディ首相の下で23年はG20議長国を務め、国名を「バーラト」と表記した。
ヒンズー・ナショナリズムを原動力に、「ヒンズー帝国」の再興を目指す政策が次第に鮮明になり、西側との摩擦が顕在化し始めている。習は最近、外交政策として「人類運命共同体」を強調している。西側はこれを「きれいごと」と受け止めている。しかし筆者は「人類運命共同体」という主張は。ポスト「普遍的価値」喪失の空白期を埋めるため、新たな「国際公共財」として、地球温暖化対策、テロ、麻薬、核不使用などを「ボトムライン」にする共通利益にし、国家間関係は内政不干渉、武力不行使など「平和5原則」によって処理しようする意図からだと考えている。

足枷の「米下僕」
最後は日本。衰退するアメリカの忠実な「下僕」の岸田政権は23年から、あわててGS工作を加速し、インドとの協力関係をはじめASEAN、中央アジア、太平洋島しょ国などとの協調関係を強化する姿勢を打ち出している。いずれも中国を軍事的に抑止するバイデン政権の戦略を下支えする外交だ。しかし時既に遅しー
GS重視のため、岸田首相は23年の国連総会演説で、お得意の「民主と自由という普遍的価値観」のフレーズを完全に封印した。GS諸国の多くは「民主」呪縛に縛られていないからだ。
 バイデン政権は、台湾問題での日本の役割増大に期待をかける。しかし自民党派閥の政治資金問題で足元に火が付いた岸田政権に、台湾問題に専念する余力はあるだろうか。ことしは対中軍事抑止網の強化にとって重要な、島しょ国会議をはじめ、中央アジア諸国やアフリカ諸国とのTICADなど、国際会議が目白押し。
しかし世界秩序の激変で、後退する旧超大国の尻ぬぐいばかりしていた日本の政治的主導力など、GSは聞く耳を持たないだろう。資金援助はもちろん拒まないが、中国には敵わない。加速する衰退からの出口の見えない日本にとって中国との経済・社会関係の再構築以外に、「百年来の変化」に対応しる道はない。手つかずの関係改善に向けた様々な取り組みが急務だ。中国は経済界や政界を使い対日改善のサインを出しているというのに。(了) 
 (本稿は東洋経済ONLINEから出した拙稿米中など大国に立ちはだかる「非国家アクター」 米中を一時休戦させた理由 | アメリカから見た世界 | 東洋経済オンライン (toyokeizai.net)を大幅に加筆・修正したものです)

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第159号 2024・02・02発行

2/2/2024

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台湾総統選、「隠れた勝者」は中国
民進党、「抗中」転換しなければ退潮

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台湾総統選挙(1月13日)で当選した民主進歩党(民進党)の頼清徳氏は、勝利集会で「(台湾の有権者は)民主主義と権威主義の間で、民主主義を選択したことを示した」と、中国の選挙介入に対する有権者の反発が勝因と強調した。一方、中国は選挙結果を「民進党が島内の主流民意を代表できないことを示した」と、当選は「主流民意ではない」という真逆の論評をだした。メディアや台湾研究者の見方も真二つに割れる。その理由を考えると隠れた「勝者」は頼氏ではなく、なんと中国だったことが浮かび分かる。論理の展開が中心のリポートで少し退屈だと思うが、台湾問題の複雑さを知るうえで重要だから少しお付き合いしてほしい。
(写真 国父孫文肖像をバックに演説する柯氏WIKI)

​勝因で真逆の解釈

総統選では頼氏の得票率が40・65%、2位の国民党の侯友宜・新北市長が33・49%、3位民衆党の柯文哲・前台北市長は26・46%だった。か 想像を2野党の得票率を足せば50%を超え、頼氏は「漁夫の利」による辛勝だったことが分かる。立法院選挙でも民進党は過半数割れした。野党は統一候補選びに失敗し三つ巴の争いになり、「第3極」の民衆党が大躍進した。民衆党という「第3極」躍進の理由は何か。それを検討することで勝者はだれかが分かる。
日本メディアや台湾問題研究者の見方も割れる。福田円・法政大学教授[i]は、「8年続いた蔡英文政権の路線継承が有権者から信任された」。「台湾の人々の「台湾アイデンティティー」に対する自信につながっている」と書く。頼氏の主張通り「抗中政策」が勝因とみる
一方、富阪聡拓殖大教授[ii]は「民主主義は勝利した」は本当だろうか、と題する記事で福田とは真逆の見方を出している。彼は、台湾記者の「この選挙の裏のテーマは政治不信です。有権者には投票しても仕方がないという、ちょっとした無力感が広がっていましたから」と引用して、選挙の争点が、民進党施政への全体的評価だったことを指摘している。

「現状」認識3党の違い

対中政策について3候補はそろって「現状維持」を打ち出した。一般的には独立も統一もしない「現状」を当面維持したいという「主流民意」の意思表明と受け取られている。しかし3党の主張は異なる。現状維持の中身を座標軸にすると、勝者がだれかよりはっきりする。
民進党の場合は、台湾地域だけを実効支配している現状を指し、「中華民国台湾」は既に主権独立国家という認識。新たに独立する必要はないし「一つの中国」は受け入れず、統一は完全に拒否する立場だ。ここで注意しなければならないのは「中華民国に「台湾」を付けたこと。これは法的な「国名変更」ではなく、蔡英文総統が2018年に主権独立国家であることを強調した政治的スローガンにすぎない。正式な「国名」変更なら現状の変更に当たるため、中国は「反国家分裂法」に基づき武力行使する。中国はこの立場を「独立路線」と呼ぶ。「独立」に「傾向」が付くことに注意だ。
第一野党、国民党はどうか。「一つの中国」を前提とする中華民国憲法を順守する立場に立ち、当面は「分断統治」の現状を維持するが、将来は統一に向かうというもの。直ちに統一を主張しても民意の支持は得られない。中国との対話と交流を進め関係改善するのが選挙での対中政策だった。
多くのメディアは民進党を「独立派」、国民党を「統一派」と形容するが正確ではない。「一つの中国」を否定するか、支持するかの違いを、より際立たせる表現に変えた方法がベターだ。

民衆党は「統一否定せず」

最後は民衆党の現状維持の内容。党の政策は曖昧でだが、柯文哲氏は台北市長時代から「両岸は親しい一家」と主張。習近平国家主席もこのフレーズをよく使っている。台北市長時代は中国をたびたび訪問し、交流の復活と関係改善を訴えてきた。民進党と異なり中国敵視ではない。中国も民衆党を批判していない。
中国が「一つの中国」支持の「踏み絵」にする「92年コンセンサス」への立場は曖昧だが、明確なのは「将来の統一には反対しない」という立場だ。「中華民国」の法的立場に立つ点で、民進党の対中政策とは決定的に異なることに留意してほしい。
付け加えると、民衆党という名前の政党は日本植民地時代存在した。台湾の社会主義者、蔣渭水氏が1927年に結成し、地方自治と言論の自由の獲得を目指したが、日本からの分離独立を主張したわけではない点で、柯氏と主張と共通点がある。

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中国が勝者の意味
「現状維持」に関する立場の違いを理解していただけただろうか。「統一かそれとも独立か」の二項対立図式からでは理解できない台湾問題の難しい点だ。中国が「主流民意ではない」とコメントしたのは、野党2党の得票率を足すと、反民進党票が6割に達し、野党2党の対中政策が「一つの中国」に少なくとも「反対しない」結果が表れたことを指した意味がある。
その分析が正しければ、中国にとって台湾の主流民意が、民進党の「一つの中国」否定ではなく、少なくとも「反対しない」に代わったことは、ベストではなくてもベターな選択であり、中国が「隠れた勝者」だったとみる理由だ。
アメリカの台湾問題研究者ボニー・グレーザー[iii]氏も最近、台湾海峡の緊張緩和に向け、民進党が統一否定をやめ。「独立や恒久的分離を追求しない」政策に転換するよう求める論文を発表した。民衆党躍進と平仄が合う。その背景には台湾をめぐる米中対立について、米中双方が「一時停戦」で暗黙合意し、国際秩序の主導権をにぎっていたアメリカの後退という大状況の変化がある。

​青年・無党派層の意識変化

民進党の「事実上の敗北」理由は、大状況の変化に対応できなかったこと。加えて同党支持層だった青年層の意識変化に応じた政策調整ができなかったことにある。
民進党の退潮傾向は2018年11月の統一地方選挙での惨敗から顕在化する。理由を分析すると、有権者の4割に近い無党派層と青年層の民進党離れ[iv]が背景だ。
青年層と無党派層は、旧世代が今も抱く「独立か統一か」のイデオロギーを重視しない点で共通する。2018年初めの調査によると、18~29歳の青年層の53%が中国大陸での就職を希望する結果が出た。前年比で10.5%も増えたという。
理由は「(大陸のほうが)賃金など待遇が台湾より高く将来性がある」として、イデオロギーより実利優先に向かい始めた。民進党が「現状維持」をいくら訴えても、中国が「一つの中国」原則を放棄しない限り、アメリカ、日本を含め世界の大半が「独立国家」とはみなさない。独立はもちろんできないし、「現状維持」からは台湾の将来展望は拓けないのだ。

頼政権のウイークポイント

今回の選挙は、民進党による8年の「現状維持」政策は、台湾を身動きできない政治的隘路に導いていることを有権者が認識し、経済、生活の実利を争点にした民衆党に支持が集まったのだろう。2020年の蔡再選は香港問題という「敵失」の結果だった要因が大きい。実利優先の「主流民意」は今後も変わらず、「抗中保台」を政策の中心に据えてきた、権力基盤の弱い頼政権にとって最大のウイークポイントになる。
民進党は1986年の結党から38年。民主化を経て「台湾人アイデンティ」の高まりをバックに党勢拡大してきた。しかし、今回の選挙は「一つの中国」に反対する独立志向の「現状維持」政策の限界を教えてくれた。日本メディアと台湾問題専門家の一部が、頼当選という表層だけに着目し、民進党の政権継続に期待する政治的ポジションからの分析は「知的退廃」だろう。これが今回選挙の私の総括だ。(了)
 (注)このリポートは拙稿を大幅に加筆[v]修正した内容です(了)


[i] 台湾総統選後の東アジア 中国、国際的に「認知戦」展開 - 日本経済新聞 (nikkei.com)
 

[ii]  https://news.yahoo.co.jp/byline/tomisakasatoshi/20240117-01636011

[iii] https://www.businessinsider.jp/post-280451)

[iv]  「中国本土で就職したい」台湾ミレニアル層が与党惨敗の引き金に——台湾二大政党の危機 | Business Insider Japan
 

[v] 。台湾総統選の「隠れた勝者」は中国。無党派層と青年層は「独立」「統一」に興味ナシ | Business Insider Japan
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第158号 2024・01・03発行

1/3/2024

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米中台に驚きの「取引」を提言
パラダイムシフト受け米盲従転換を

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過ぎた年は国際秩序をめぐるパラダイム(主要規範)転換が鮮明になった一年だった。まず、米一極支配を支えてきた「ワシントンコンセンサス」の終焉。(写真「THE WASHINGTON CONSENSUS」3rd February, 2021の表紙)レーガン・サッチャー時代の1980年代に始まる「小さな政府」「規制緩和」「市場原理」「民営化」「民主化」を普遍化させ米一極支配を貫徹させようとするイデオロギーである。ロシアのウクライナ侵攻に続き、10月のイスラエル・イスラム組織ハマス衝突によって終焉した。一方、GDPでドイツに抜かれ世界第4位に後退した日本。あらゆる社会・経済指標で先進国の地位を失ったのに、中国に対抗するため戦後初の国産空母「いずも」を保有し「軍事大国」という剥げたメッキにしがみつく日本は米国盲従の戦後政策を見直す必要がある。
米中確執が減ったわけ
 そんなパラダイム転換を反映して、台湾問題をめぐる米中関係にも微妙な変化が表れつつある。「中国軍が台湾への攻撃を控える限り、台湾は独立や恒久的な分離を追求しないと保証すべき」 台湾海峡の緊張緩和に向けて、米中台三者に「安心供与」すべきという提言が、米国の台湾研究者の間から出ている。台湾総統選挙(2024年1月13日)とアメリカ大統領選で政権交代となると、台湾情勢は劇変する。パラダイムシフトと現実政治の変化を意識した提言であろう。
 このところ、台湾をめぐる米中確執のニュース量がめっきり減ってきたと感じないだろうか。調べてみると、11月15日米サンフランシスコで開かれたバイデン大統領と習近平・中国国家主席による対面首脳会談[i]以来と分かる。
この記事で筆者は、首脳会談の最大の成果として「一時休戦」を挙げた。バイデン政権が「一時休戦」を求める理由について、ロシア・ウクライナ戦争、イスラエルとハマス衝突に加え、中国との衝突という「三正面作戦」に対応できない事情を説明した。
首脳会談効果の発揮
 首脳会談では、衝突回避の具体的措置として米中国防当局間のハイレベル会合の再開などで合意した。合意に基づき、米軍制服組トップのブラウン統合参謀本部議長と中国軍の劉振立統合参謀部参謀長が12月21日、テレビ電話協議を行った。台湾海峡での偶発的な軍事衝突を予防する狙いがある。
 11月首脳会談では、バイデン氏が習氏に台湾総統選への干渉にくぎを刺したのに対し、習氏は「台湾の平和統一は必然であり、アメリカは平和統一を支持すべき」とまで発言したとされる。習氏の余裕が感じられる発言だった。米中確執ニュースが減ったとすれば、首脳会談効果と言っていい。
 「一時休戦」とはいえ、ロシア・ウクライナ戦争、イスラエル・ハマス衝突が、バイデン政権にとって有利に展開する可能性はまずない。二つの衝突が「与件」であり続ける限り、バイデン氏は「対中休戦」の継続を望むはずだ。

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台湾で政権交代の可能性も
 台湾情勢に目を移す。総統選挙では当初は楽勝が予測された民主進歩党(民進党)の頼清徳候補は、最大野党、国民党の侯友宜候補の追撃で、政権交代も否定できないデッドヒートが展開されてきた。
仮に、国民党政権が復活すれば、中台両岸の交流が回復し蔡英文政権下で悪化した台湾海峡情勢は大きく改善する。ワシントンと北京は、政権交代を前提とするシナリオ作りに入っているはずだ。[ii](写真 総統選に立候補の3氏)
 加えて、アメリカ大統領選でも共和党のトランプ前大統領の政権交代がまことしやかにささやかれている。そうなると、「対中競争」を最優先したバイデン政策は一変、「アメリカ第一」が復活し、同盟関係を軽視する政策に戻る可能性がある。
台湾研究者の提言
 台湾海峡をめぐる様々な環境変化の中で、出てきたのが冒頭に紹介したアメリカ、中国、台湾の三者に対し、緊張緩和に向けた驚きの「ディール(取引)」提言だ。提言したのは米歴代政権の台湾政策に影響力を及ぼしてきた台湾研究者ボニー・グレーザー氏(ジャーマン・マーシャル基金)ら3人の台湾研究者。提言は「台湾と抑止力の真の源泉」というタイトルで米外交誌「フォーリンアフェアーズ」(November 30, 2023)に掲載[iii]された。グレーザー氏は、バイデン政権、蔡英文政権とも良好な関係にあり。身内からのアドバイスだ。
台湾政策の有力なシナリオにも
 バイデン政権は日本、韓国、オーストラリアの同盟国と共に、中国に対する「統合軍事抑止戦略」を展開してきた。「軍事的抑止」とは「軍事力によって相手の行動を事前に抑え込む」のを意味する。提言は「軍事抑止」だけに頼る思考を批判し、米中台3者がそれぞれ互いに「安心」を供与することによって、初めて「軍事抑止が効果を発揮できる」と分析する。
根拠の薄い「台湾有事」をめぐる中国との争いは、国内世論向けには有益だとしても、現実の戦争と比較してみれば、成果とリアリティの希薄な「消耗戦」の域をでない。
 提言を3者がすぐ受け入れる可能性は極めて低いが、米台政権交代後の「台湾シナリオ」にとっては大いに参考になる内容だ。
 「四不一無意」盛り込め
「安心供与」の概要をみよう。
 米国の対中安心供与の第1は「一つの中国政策」を守る「包括的声明」の発表。注目されるのは、台湾への防衛的兵器供与をうたった「台湾関係法」や米中間の3つのコミュニケだけでなく、バイデン氏が習近平国家主席に約束した「四不一無意」[iv](4つのノー、1つの意図せず)を挙げていること。
「四不」は、アメリカ側が①新冷戦を求めない②中国の体制変更を求めない③同盟関係の強化を通じて中国に反対することを求めない④台湾独立を支持しない―を指し、「一無意)は、アメリカに中国と衝突する意図がない、ことを意味する。中国側は、サンフランシスコ首脳会談でも、バイデン氏に「言行一致」を要求している。
 提言はこのほか、①米大統領、副大統領、国務長官、国防長官と上下両院議長の訪台禁止②台湾総統、副総統のワシントン訪問禁止-を挙げた。中国側が批判する、武器輸出や米艦船・航空機の台湾海峡通過には触れていない。
統一否定しない約束を
 提言は次いで、台湾と中国に「ディール」を求める。
台湾に対しては、中国軍が台湾への攻撃を控える限り、①台湾は独立や恒久的な分離を追求しないと保証②正式名称である中華民国を変更するための住民投票実施をしない③中華民国憲法が定める領有権主張の修正など、独立を示すような挑発的な行動を控える④次期総統は、台湾政府は現状を根本的に変えるつもりはないという約束を再確認⑤民進党の頼氏が当選した場合、党綱領の中の独立条項を停止することを検討すべき―を挙げた。
 注目すべきは「恒久的な分離を追求しないと保証」。「統一の可能性を否定するな」という意味だからだ。
武力行使規定の改定求める
 対中提言は、習政権が強調する「平和統一方針の信頼性を高める」ためとして①中国は台湾周辺での軍事作戦を縮小②ペロシ米下院議長の訪台後に常態化した台湾海峡の中間線越境行動を止め、以前の状況に戻す③2005年に成立した「反国家分裂法」で武力行使の条件とした「平和統一がもはや不可能であると認識した場合」という「曖昧規定の改定」-を挙げた。
 注目されるのは③の武力行使の第3の条件とされる規定[v]の改定。蔡政権は「現状維持」を主張するが、北京はその主張は「分断分治」を固定化し、「平和統一が不可能になる」と懸念する。現状維持を「平和統一の可能性が完全に失われたとき」と判定するのは北京であり、グレーザー氏は北京の恣意的解釈から武力行使が行われるのを懸念していると思われる。
「武力行使せず」主張する中国学者
 台湾問題を「内政問題」とみなす北京の基本姿勢から考えれば、受け入れ不可能な提言のように見える。この提言を踏まえたものではないが、「米国に台湾独立を支持しないことを誓約」させた上で、中国も「台湾へ武力行使しない」約束をすべきと構想する中国学者がいるのを匿名で紹介したい。
学者は筆者に「武力行使を否定しない」政策は、中国世論向けの側面が強いとした上で、武力行使の否定によって①アメリカの台湾への武器供与を停止させ得る②台湾を東アジアの火薬庫にしないことに資するーという利点を挙げた。
 学者は提言を共産党中央にも進言したと明かす。グレーザー提言が、米政策の変更につながる可能性と併せ、中国側の動向も注視したい。
中国側が「政策変更」を公表する可能性はまずない。取引を受け入れるとすれば、①中間線を突破する戦闘機、軍艦の頻度を減らす②「平和統一の可能性が完全に失われたとき」について触れなくなる―など、言動変化から「取引」受け入れのサインとみる他はない。米中関係の変化の中で「頭の体操」が必要な理由でもある。

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日米同盟最優先と米盲従
最後に、こうした変化に対応できず「大国」という剥げたメッキにしがみつく日本に触れる。主要7カ国(G7)議長国として5月の広島サミットを仕切った岸田首相は、日本の「国際社会をリードする大国」としての外交を自賛する。
「日米同盟基軸」をあらゆる外交政策の前提にし、米国の世界戦略に盲従してきた戦後日本の外交は今、根本的な見直しを迫られている。鹿児島県の屋久島沖で11月29日に発生した米空軍輸送機「V22オスプレイ」墜落事故をめぐる動きは、日本の盲従ぶりを示す分かりやすい例だ。(写真 墜落したオスプレイの残骸 沖縄タイムスから)
防衛省は当初米軍の発表通り、「墜落」ではなく「不時着水」と発表。その直後、米国防総省は機体不具合が原因と発表し全機種の離発着を停止した。12月初旬には、オスプレイの生産ラインを、2026年予定で閉鎖することが決まった。
対中政策転換の準備を
ワシントンコンセンサスの終焉が鮮明になりつつある世界秩序の中で、米国の「下請け」として中ロ対抗を狙った日本の「大国外交」は、外交能力や資金面から息切れし、身の丈に合わない「エセ大国外交」になっている。
 日本政府は菅政権以来、バイデン政権とともに日米安保を「対中同盟」に変え、台湾有事に向けた日米統合戦略を推進してきた。しかし、外務省は先日死去したキッシンジャー元米国務長官の工作で実現した米中和解が、日本の頭越しで行われたことを決して忘れていない。
キッシンジャー氏は中国の周恩来元首相に対し、「中国には普遍的な視点があるが、日本の視点は偏狭」と、述べたことがある。
朝鮮半島情勢ととともに、日本の安保政策の中心をなす台湾政策で、米国が日本の頭越しに政策転換するのは、外務省にとって「悪夢中の悪夢」だろう。
 米中「頭越し」外交の再来に対応するためにも、日本政府は対中政策転換に向けた「プランB」の準備に早急に取りかかるべきだ。「窒息死」寸前の岸田政権にそれを任せられるかは、心許ないけれど。
(本稿はBusiness Insider Japanに寄稿した「台湾に「独立や恒久的分離を追求しない」約束求めた研究者提言が、驚愕の中身と話題」[vi]を加筆修正した内容です)


[i] 米中首脳会談で透けて見えた習近平氏の「余裕」。合意はあくまで「一時休戦」 | Business Insider Japan

[ii] 台湾で政権交代の可能性。対中包囲目指す日米の戦略が一夜にして瓦解する | Business Insider Japan

[iii]https://www.foreignaffairs.com/taiwan/taiwan-china-true-sources-deterrence?utm_medium=newsletters&utm_source=twofa&utm_campaign=Taiwan%20and%20the%20True%20Sources%20of%20Deterrence&utm_content=20231201&utm_term=FA%20This%20Week%20-%20112017)

[iv] バイデン大統領が習近平国家主席に約束?「四不一無意」とは何か。アメリカに寄り添う日本にも影響が…… | Business Insider Japan

[v] 反国家分裂法(全文) - 中華人民共和国駐日本国大使館 (china-embassy.gov.cn)

[vi] (台湾に「独立や恒久的分離を追求しない」約束求めた研究者提言が、驚愕の中身と話題 | Business Insider Japan
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